マイペース革命

あなたに「執念」と「覚悟」はあるか!?ハンバーガー帝国のヒミツ

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

The Founder (ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ)

 「The Founder(ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ)」は、アメリカで2016年、日本ではその翌年2017年に公開された映画です。2020年現在ではAmazon Prime, NetFlix などの動画配信サイトで視聴することができます。

※ ここから先、ネタバレを含みます。

どんな映画?

 突然ですが、レイ・クロックという方をご存知でしょうか?この方は、あのマクドナルドコーポレーションの創業者で、世界最大のファストフードチェーンに仕立て上げた人物として有名です。今や日本でもマクドナルドを食べたことがない人はいないのではないでしょうか?
なんと、今や毎日世界人口の1%がマックを食べている状態だというから、その規模感は改めて驚きです。
この作品は、彼がそのマクドナルドを今の地位に持っていくまでの過程にスポットを当てています。

マクドナルドとの出会い

 意外なことに、元々マクドナルド一号店はレイ・クロックが立ち上げたものではありません。モーリス、リチャードの2人、マクドナルド兄弟がオープンしたお店です。

 そのとき彼は52歳、ミキサーの営業販売をしていました。当時1954年はドライブインの全盛期。ドライバーたちは車の中で注文から受け取りまで完結するのが当たり前。それに対して、当時のマクドナルドは車から降りてカウンターに並んでもらい、皿やナイフを使わず紙に包んで提供するシステム。そして、当時のメニューは「ハンバーガー」「ポテト」「シェイク」の3種類のみ。しかも注文から受け取りまでたったの30秒。非常に効率的なシステウを確立していました。今でこそ当たり前のこのシステムが、当時は革新的だったのです。

 このシステムに感銘を受けたレイ・クロックは、全国展開のフランチャイズを提案します。最初は「質の担保ができない」と抵抗を示す兄弟でしたが、レイ・クロックはそれを押し切り、契約を結んでフランチャイズの権利を得ます。

兄弟たちとの対立

 店舗拡大を進めたいレイ・クロックと、経営方針を死守したいマクドナルド兄弟。両者の対立はどんどん深まります。冷凍コスト削減のため、シェイクの材料に従来のアイスクリームではなく、水で作れる粉末シェイクの使用を提案しても、兄弟は強く反対します。

 しかし、レイ・クロックはそんな彼らを押し切り強引に粉末シェイクを導入。ハリー・ソナボーン(後のマクドナルドCFO)の提案で不動産ビジネスを絡めることでフランチャイズ展開はさらに加速。契約を盾にする兄弟に対しては「契約は壊すためにある、地方のハンバーガ屋が全国規模の企業に勝てると思うな」 と一点張り。 

 最終的に、レイ・クロックは兄弟からマクドナルドの全ての権利を購入します。兄弟たちの店からは看板は外され、マクドナルドはレイ・クロックが事実上乗っ取りました。

お人好しでは勝てない世界だ。ビジネスは甘くない。戦争と同じで、食うか食われるかだ。ライバルが溺れてたら、ホースを口に突っ込む。君らにできるか?

レイ・クロックの信念

 彼の信念は、作中の以下の言葉に象徴されます。

世の中に”執念”に勝るものはない。
“才能”があっても、成功できないものはゴロゴロしてる。
“天才”も報われないのが世の常だ。
“学歴”も賢さを伴うとは限らない。
“執念”と”覚悟”があれば無敵だ。

彼は店のシステムに惹かれたが、それ以上に彼の心を動かしたものがありました。それは「マクドナルド」という名前と、その象徴的なゴールデンアーチです。

彼は、「マクドナルド」という名前の健全で誠実な音の響きを高く評価しており、ゴールデナーチには教会の十字架や裁判所の旗と同様の神聖さを見出していました。
マクドナルドは将来的に家族や仲間が募る場としてアメリカの新しい教会になる、と本気で信じていたのです。

 仕組みを作りあげたマクドナルド兄弟以上に、ビジネスの可能性を本気で信じていたレイ・クロック。だから、彼は同じシステムの独自ブランドを作らず、マクドナルド自体を乗っ取ったのです。一見馬鹿げた理由に思えるかもしれませんが、ここまで強い執念がレイ・クロックを大成功に導いたのではないでしょうか?

あなたは自分の夢に「執念」と「覚悟」はあるか

 正直な話、私はレイ・クロックを正義の味方でも英雄でもないと思っています。そして、これは決して彼に限った話ではなく、世の成功者には少なからず同様の要素があるでしょう。ただ、彼らは自身の夢のためにあらゆるものを差し出す覚悟があり、それ実行しているから大きな成果を収めているのだと思います。事実、レイ・クロックは自宅を担保に得た資金を全投入したり、最終的には当時の妻と離婚しています。

 ただ、彼の言葉を借りるならばビジネスは食うか食われるか。その言葉を踏まえて、全てのビジネスマンに是非一度この作品をご覧頂きたいと思います。

 あなたがレイ・クロックに対して抱く感情は憧れか、それとも嫌悪か。。。あなたは自分の夢に対する「執念」と「覚悟」を問われることになるでしょう。

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