はじめに
以前より、自分の書く文章の冗長さをもどかしく思っていました。そんなある日、Twitterで「文章をシンプルにしたければ『言葉ダイエット』を読め!」という趣旨の投稿が目に入りました。なんだそれは!ということで、この度調べてみました。
本記事執筆当時、ちょうどKindle Unlimited の対象になっていたことから、迷わずダウンロードして読み始めました!内容はシンプルながら非常に学びの多い本だったので、本記事では導入部のみをピックアップしてご紹介していきます。
「言葉ダイエット」とは?
そもそも、企画書やメールがどうして読みづらくなるのか?その答えは簡単、「書き過ぎ」です。過剰な文章がまるで贅肉の様にあれこれ詰め込まれ、文章としての質が落ちてしまうんですね。
この解決方法はシンプル。言葉の贅肉を落とす「言葉ダイエット」を実践すればいいんです。
読みにくい文の特徴を知れ!
では、「贅肉のついた文章」とはどの様な文章でしょうか? 曰く、以下の様な表現が多く見られる様です。
- 遠回しの表現
- 小難しい表現
- カタカナ語の表現
総じて、「とにかく長い」 と言えます。耳が痛いですね。。。
思ったことを書くことは誰でもできます。しかし、内容の取捨選択は難しく、スキルが必要な様です。とくに、真面目で気配りする人ほど、内容が伝わるか不安な気持ちから贅肉をつけてしまうんです。
ビジネスにおいては、誰もが「書き漏らしがない様に」「ビジネスっぽい体裁に」と考えてしまいます。その結果生まれた読みづらい文章を読んで、自分もその様な文章を意識していまう。。。悪循環ですね。
今後も、読みづらい文章に触れる機会があるでしょう。そのとき、知識や経験不足で読めないのではなく「文章がヘタクソだから読めない」ということをまずは知って下さい。もちろん、自身への戒めも込めて笑
なぜあなたの文章は長くなる?
文章が長くなる「理由」について、さらに踏み込みます。大別すると、以下の2つが原因の様です。
- 読んでもらう前提だから
- あなたが優秀で能力が高いから
順番に説明していきましょう。
「読んでもらう前提だから」
ビジネスマンは皆忙しいです。毎日展開されている文章を一字一句目を通すことは現実的ではありません。大抵は斜め読みでしょう。あなたの書いた文章も同様で、どんなに丹精込めようと読みづらければそもそも離脱されてしまいます。
新人コピーライターは、「広告なんて誰も見たくないんだ」という前提をまず叩き込まれるそうです。これを知るだけで、文章の視点が変わりますね。
「あなたが優秀で能力が高いから」
この理由はちょっと戸惑ってしまうかも知れません。
文章が長くなってしまう背景として、以下の様な心情があります。
- 情報を確実に伝えたい
- 目上の人に失礼がない様にしたい
- 専門用語を使ってカッコつけたい
決して心理自体は悪くありません。文章に落とし込むスキルを知らないことが問題なのです。ここで言う「スキル」は、「才能」ではありません。言わば「読みやすい文章の基準を知って実践すること」です。これは覚えたその日から実践できて、使うほど上達していきます。
言葉ダイエット 実践方法
いよいよ、言葉ダイエットのスキルを、例を交えて具体的に紹介していきます。
一文一意
「1つの文章に書く内容は1つに絞らなくてはならない」という、ある意味文章を書く上での基本です。
複数の内容を盛り込んだ文章は、内容が行ったり来たりして読み手を迷子にしてしまいます。この原則を守りつつ、適宜接続詞を用いることで文間の関係性が明確になり、ロジックのある文章を書くことができます。
一文の文字数を短く
前項にも関わりますが、一文の文字数を少なくすることを意識すると、自然と意味も絞られていきます。新聞記者は、記事において「1文40-60文字以内」というルールを守っているそうです。まずは、この40-60文字を目安に文字数をおさめる意識を持ってみましょう。
抽象論禁止
長々書かれてるけど、結局何が言いたいか分からない。こんな文章は忌み嫌われます。厄介なことに、抽象論は実態とは関係なく内容を膨らませることができます。そのため、自分をカッコつけたいと思うほど文章は冗長になってしまいます。まずはこのことを知った上で抽象化ではなく、具体化の意識を持ちましょう。
特に、抽象的な表現は人によって解釈がブレるため、ビジネスでは不適です。以下のルールに従って、具体的な言葉のみを使う様に意識しましょう。
修飾語禁止 |
「革新的」「洗練された」の様な言葉は響きには惹かれるものの、人によって想像するイメージが無数にあります。 |
カタカナ語禁止 |
グローバル化、IT化の過度なアピールがカタカナ語の乱用に繋がります。カッコつけはカッコ悪いですね。 |
前提共有は最小限に |
前提の念押しが延々と長くなるのは、ビジネスではよくあることです。自明なことは省略して、その向こう側の「どう思うか、何ができるか」を伝えましょう。 |
抽象的な見出しと、具体的な本文を |
本文は数字を交えて具体性を持たせましょう。抽象的な文章は見出しのみで十分です。 |
余談ですが、本書にて「抽象的で分かりにくい」「具体的で分かりやすい」の実例として、株式会社LIGの会社紹介が挙げられています。こちらも是非参考にしてみてください。
繰り返し禁止
同じフレーズを複数回に渡って使うと、煩わしさと幼稚さを読み手に与えてしまいます。具体的には、「主語が明確な場合には省略する」「似た言葉の繰り返しは一語にまとめる」「文末を揃えない」を意識しましょう。
日本語には、主語を省略できる特徴があります。文脈から明確である表現は、思い切って削除してくことで日本語らしいテンポが生まれます。
関連して、「記念品としてプレゼントを贈呈」 の様な重言も避けましょう。総じて、もったいぶった遠回しな言い回しがこの様な表現を生んでしまいます。
無駄な敬語禁止
「慇懃無礼」という言葉がある様に、過剰な敬語は逆に失礼にあたります。何より、「結局何が言いたいの?」と思うレベルで冗長です。避けましょう。
具体的には、「xxさせていただきます」という表現は悪です。滑舌悪いと、頭の中ですら噛んでしまいますw
謝罪を述べる場合も、一言「誠に申し訳ありません」と添えれば十分。あとは、端的に内容をまとめましょう。伝えにくい内容だからこそ、短く読みやすい文章にすることが相手への礼儀です。そもそも、メールでカッコつけるくらいならレスポンスを早めた方が結果として良好な関係が築けることも多いです。
表記の統一
「アイデア」「コンセプト」「企画」。これらは異なる表現ですが、同じ内容になり得る単語です。同じ内容では、必ず言葉も統一して下さい。
こそあど、接続詞の乱発禁止
文間の繋がりが不安になると乱発してしまう「こそあど言葉」や「接続詞」。過剰になると幼稚な印象を与えてしまいます。
テクニックとして、接続詞は「体言止め」 をうまく使うと省略することができます。前文では文間の「しかし」を違和感なく削っています。
おわりに
いかがでしたでしょうか?いずれも、実践はそこまで難しくないかと思います。本記事で紹介したのは導入部のみなので、興味を持った方は是非続きを読んでみて下さい。
大切なことは「実践すること」「継続すること」です。これからは、言葉ダイエットを意識してスリムな文章を書いていけるといいですね!
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